強引同期と偽装結婚することになりました
「私だけじゃない。優木くんはずっと私のことを思ってくれていました。だから、私たちはもう偽装結婚なんかじゃなく、正真正銘、心からお互いを好きな恋愛結婚です。そして、優木くんはそんな自分の幸せな姿を大好きなおばあさんに見て欲しい。おばあさんがそこにいることが優木くんにとって何よりの自己満足なんです」

「みちるが言ってた通り、面白い子だね、あんた。祐のこと褒めてるのか貶してるのか分からないし。なんだよ、自己満足って」



笑った。あんなに最初は怖い顔をしていた美津子さんが笑ってくれた。嬉しくて涙が浮かぶ。でも、まだだからと言って分かってくれたわけじゃない。


「優木くんは、きっと自分で自分が納得できれば、それでいいんだと思います。美津子さんの気持ちを聞いても彼はきっと納得出来ない。だから、私は彼を説得出来ません。優木くんが自己満足で納得出来るのなら、私は彼の暴走を少しだけお膳立てすることだと思いました」


「お膳立て?」


「はい。一つ聞いてもいいですか?おばあさんのお誕生日はいつですか?もしかして、今月中だったりしませんか?」


「ばあちゃんの誕生日?ばあちゃんの誕生日は3月30日。今月だけど」


「やっぱり。優木くんは、多分そのおばあさんのお誕生日に結婚式を挙げようと考えていると思います。そしてきっと彼は、無理矢理にでも美津子さんの反対を押し切って、おばあさんを連れ出すはずです」
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