久瀬くんは〇〇恐怖症
「まあそう照れるな。
けど久瀬も同じ反応してたな」

「え!?」

「久瀬に『お前の妹とカフェ行くことなった』って言われたからデートか、っつったら『違う』って真顔で言われた」

な…っ

…うう……

そのエピソード、

ちょっと落ち込んじゃうんですけど…

そりゃデートではないけど、

そんな思いっきり否定されたら…

がっくり俯いた私には気づかず、

アイスなんか引っ張り出してきた和樹。

朝から何食べてんのこの人は…

はぁ〜…

ため息をついて時計を見ると、

すでに10時15分になっていた。

「じゃあ行ってくるね」

「おー、楽しんでな、デート」

そう言ってひらひら手を振る和樹に

反論はもう諦めて、

サンダルを履いて家を出た。
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