少しだけ嘘つきな世界。



いつからだろう。


特別に大切に思える人もいなくて

親も正直なんでいるの?なんて思っちゃって

生きている意味が

アタシがアタシでいることの価値が



全てどうでもよくなっちゃったんだ。


あの日は本気で死にたいと思ったわけじゃなかった。


海なら誰にも迷惑をかけずに消えられると思ったから、学校の帰りにどんどん沖のほうへ進んでみた。


気付いた時にはもう遅くて

波が強くなっていて

制服が重くて上手く泳げなくて。


願望通りアタシは誰からも気付かれることなく、飲み込まれていったのに

必死でもがいている自分に気付いて

あぁ、まだ生きたかったんだって

この身体中の器官が塩水に満たされていきながら思った。


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