陽だまりのなかの僕ら
藍実が、大きなため息をつく。
「桜輔の反応とか見て、気付かないの?」
「・・・何に?」
「・・・ええっ?」
背を向けていた藍実は、またこちらを向いた。
それと同時に、あっけにとられたように目を大きく見開いた。
「・・・詩麻、あんたってほんとに鈍感な娘なのね。」
最後には感心したように、笑顔まで見せた。
・・・藍実は、何を言ってるんだろう。
「どういうこと?私を馬鹿にしたいのなら、やめてね。」
こんな言い方も、親友の藍実にだから、できること。
藍実は髪の毛をくしゃくしゃとして、私を再び見据えた。
綺麗な、純粋な目をしている。
藍実の瞳には、私しか映っていなかった。
「ねえ、思ったことない?」