陽だまりのなかの僕ら
「・・・なに、を?」
「・・・・・・。」
今度は藍実も私を馬鹿にせずに、ただ、目を伏せた。
「・・・藍実?」
「あのね、ひとつ質問するけど。」
質問?ってどういうこと?
「う、うん。」
私はわけもわからず、首をかしげながら頷いた。
ぽふん、と枕が私を包む。
あ、おうちゃんの匂いがする。
おうちゃんの匂いは、この柔軟剤の匂いだったんだ。柔らかくて、優しい。
そう、陽だまりの匂い。
「詩麻は、この人のことはよく考えるなぁ、とか。んー、言っちゃえば、妄想なんかもしちゃうなぁ、とかいう人はいる?」
・・・?考える?妄想?
私が明らかにわからない、という表情で困惑していると、藍実がふふっと笑った。
ただ、私の答えを待っているだけ。
誰かのことを、考える?妄想・・・?