陽だまりのなかの僕ら
「・・・詩麻、ありがとね。詩麻が気付かなかったら、きっと桜輔、ずっと独りで抱え込んでただろうからさ。」
そう言って、隆貴はぽんぽん、と私の頭を撫でた。
「うん・・・」
じんわりと、目尻が熱くなった。
「隆貴も、手伝ってくれてありがとう・・・」
「いいよ。とにかく、泣かないで。ほら、ね?」
「うん・・・」
そしてまた、おうちゃんに視線を戻す。
スースーと寝息を立てて、少し苦しそうながらも、ぐっすりと寝ていた。
整った顔が、とても綺麗。
続けて、隆貴をチラリと見た。
隆貴もとても綺麗な顔立ちで、女の子がメロメロになるのもわかる気がする。
私と藍実は運のいいことに、このふたりと居られる、" 仲の良い幼馴染み"という立場をもっている。
「・・・さ、桜輔も落ち着いたことだし、俺らも戻ろうか。」
「うん、そうだね。」
隆貴と顔を合わせ、頷き合う。
私たちはそれぞれの部屋に戻り、眠りについた。
もうその時 、時計は、4時をまわっていた。