陽だまりのなかの僕ら
「おーい!しまー!何してんのー!もうすぐ時間だろ、先生待ってるぞー!」
階段の上から、声をかけられ、慌てて振り返る。
「・・・あ、壮くん。」
篠宮 壮(しのみやそう)くん。
私のクラスの副委員長。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗。
おまけに女子にも優しく気が利くことから、隣のクラスから女子が見に来るほどの人気っぷり。
それはそれは、すごい人。
「うん、わかった!ちょっと待ってて!」
私は壮くんにそう言って、またおうちゃんに向き直った。
「っていうことなの。だから、ごめんね。今日は一緒に帰れない。」
そう断って、おうちゃんにさよならを言った。
そして、壮くんを追いかけ、階段を駆け上がる。
おうちゃんなんか、モテるんだから、一緒に帰りたい女の子なんていっぱいいるのに。
壮くんもすごくモテるけど、おうちゃんもなんだ。
壮くんは少しお調子者なところがあって嫌いとか、そういう批評もごくたまに聞く。
それに対しておうちゃんは、控えめで、謙虚、そしてやる時はやるというギャップから、メロメロになってしまう女子がたくさんいる。
(私もそろそろおうちゃんを卒業しなきゃ・・・)
いつまでも、兄に甘える妹ではいられない。
私も、好きな人を見つけて、おうちゃんから離れなきゃ、きっとおうちゃんも迷惑だろう。
そうこうしているうちに、階段を上りきった。
「はぁ・・・は・・・ゲホゲホッ」
私は小さい頃から喘息を持っていて、激しい運動はできない。
それが悔しくて、毎日走る。
「うっ・・・ケホッ」
一瞬吐き気を覚えた。