地獄の果てでキミを愛す
直哉が寝室を出て数分が経った。


だが一向に戻ってこない。
不思議に思ったがベッドから起き上がる事もせずに天井を仰いだ。


体が重い、だるい。


あれだけ愛され続けたら無理もないが
私の体はおかしくなってしまったみたいだ。


このだるさも、痛みも
私にとっては嬉しいモノだ。


直哉が私を愛してくれている証。


そうよ。
恐がることなんてない。


直哉は私が狂ったとしても
私を愛し続けてくれる。


だって直哉はもう……。
戻りはしないのだから……。


狂ってしまった直哉を
私も同じくらい愛そう。


同じところに堕ちて……。
< 83 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop