ゴーストハンド

美都は、前よりも少し大きくなったお腹を笑顔で撫でながら、椅子に座り、紅茶を飲んでいた。

「大きくなったね~、赤ちゃん」

そんな彼女を、桜の木の影から『見ている』女性がいる。

「久しぶりね、美都さん」

窓ガラスを『いつものように』、『通過』する。

そのとき美都は、カーテンがゆらりと揺れたのに気づいた。
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