COOL GIRL
突然、扉の開く音が聞こえて、屋上に誰かがやって来た。
先生だと思って、とっさに物陰へと隠れる。
しかし現れたのは先生ではなく、藤野と河野さんだ。
二人は私の存在に気がついていない。
会話の内容は聴き取れなかったし、ほんの数分で二人とも屋上から出て行ってしまった。
何を話していたのだろう。
二人はどういう関係なんだろう。
再び疑問が渦を巻く。
心臓がドキドキ脈打って、胸が痛い。
まさか、告白?
どっちが?
藤野は本気?
どうして?
どこがいいの?
悲しさと不安と、それから河野さんに対しての嫉妬が芽生え始める。
私は自然と、河野さんの背中を追っていた。