桜道【実話】

父親

《ねぇ…ナオ?》


『おっ!なんだ?』



【ドクン!ドクン!

きっと…勘違いしてる…

言わなくちゃ…ドクドク】



《あのね…赤ちゃん…》



『心配すんなよ!!

俺ちゃんと父親として

頑張るから…

ふたりの赤ちゃん産んで

欲しい!』



【ぁ…ズッキーン!!】



ナオが

真剣になればなるほど

勘違いと確信した。



《違うの!》


『んっ??』



《ぁ…赤ちゃん

ナオの子じゃないの…》



【ごめんね…あたし

酷い事言ってる…グスン】



本当は

こんな事まで言いたく

なかった。




『は?何言ってんだ?』



ナオの車のブレーキ音が

聞こえた。



《グスン…ごめん違うの

ナオの子じゃないの…

だから別れよ…グスグス》




ナオは無言のまま

電話を切った。




これが

ナオの答え

なのだろう――――






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