桜道【実話】
《ぅん…??》


(タバサ?)



あたしの顔を除き込む

お母さん。



【えっ??なに?】



あたしが

目覚めたのは病院の

ベッドの上だった。



《あたし…どうして?》


(もう少し寝なさい…)


《あたしトイレに…?》


(そうよ…)


《なんで病院に??》


(………)


お母さんは黙った。


《ねーお母さん?!》



あたしは

病院にいる理由が

分かっていなかった。



(赤ちゃん

駄目だったの…よ…)


《あか…ちゃん…??》



【ビクッ!!】



あたしのお腹から

赤ちゃんが

居なくなっていた。



《ぅぅっ…うわーん!!

うあーん!!!わーん!

ごめんね…ぅぅっ…》



あたしは

病院中に響き渡るほどの

大声で泣いた。



【あか…ちゃん…グスン

痛かったよね…ごめんね

ごめんね…ごめんね…

もっと早く病院に行って

ればよかった…グスッ

痛いの我慢しなければ…

ごめん…ね…グスン】



あたしは

空っぽになった

お腹を撫でた。




あたしが最後に見た

あの血の雫は

赤ちゃんの涙だったの

だろう――――





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