桜道【実話】
「タバちゃ~ん~」


【えっ?!なに??】


「あたし、雛だよ~」


《え~雛~?》


「うん!さっき、事務所で

ナオくんが彼女乗せてる

って聞いてさ~」



【ホッ!

雛で…よかった…】



「タバちゃん、家帰ってな

いんでしょ?」


《うん…でも今日…

帰る!》


「そっかぁ~じゃあ~

また学校でね!」



《うん~バイバイ~》



無線を切った。




『あの二人は

いっつも一緒だな~』


《そうだね~

うらやましいナ…》


『なんだよ?俺達だって

一緒だろ?』



【ぁ…キュン!!】



ナオが

あたしの肩を抱き寄せる。



【あたし…うれしい…ょ

ナオのそばにいると

しあわせな気持ちになれ

るょ…キュン】




『タバサ…』



【ぇっ…ぁっ…ナオ…キュン】



信号待ちで

ナオの唇が

あたしの唇に重なった。




赤く輝く信号が

ふたりの恥じらいを

なくすようだ――――



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