桜道【実話】
車の中で重たい空気が

流れる。


いつものナオなら

いっぱい話すのに。



【ズキン…】



窓の外の景色を

追い続けるしかない。



【イヤだょ…こんなの】



あたしはナオの何?


ただの友達?


付き合ってるの?



それとも

二股を

かけようとしてたの?



あたし

まだナオに何も言われて

ないから分からないよ…



結局一言も会話が

ないまま公園に着いた。



【あっ…着いちゃった…

すぐ降りた方がいい?】



あたしはナオの顔を

チラッと見た。



『気をつけてな!』



【ズキッ!】



それだけだった。



今日はハザードランプが

点滅する事なく

車は走り去った。



あたしは

ただの

ひまつぶし??




ナオにとって

あたしは

二股をかけるほどの

女でもないのかも

しれない――――





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