桜道【実話】
《え?あたし?》


『そうだよ?!』


ナオの顔が近づく。



【ドキン!!】



《タバサ…です》


顔が熱くなった。



『おっ!じゃあタバサ~

一緒に歌お?』



【えぇ~??歌?!!】



『これ歌えるか?』


《えっ?これ?!

あっ…うん…歌える》


『おしっ!歌うぞ!!』


ナオの展開の早さに焦り

まくる。



【でも…

あたしドキドキしてる】



大騒ぎの中ナオとあたし

はデュエットをした。


誰の耳にも残らなかった

だろう。



『タバサうまいな~~

あっ…俺のグラスあっち

に忘れてきちゃった!』


綺麗な子達がこっちを見

ていた。



【ナオ…あの輪の中に居

たんだ…】



《あの子達見てるよ?戻

った方がいいよ?》


あの輪とは関わりたくな

かった。



『俺、あーゆー子ダメな

んだよね~女王っぽくな

い?』



そう言いながらナオは

あたしのグラスを

空っぽにした。




あたしの胸は

キュンとした――――




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