悪魔に取り憑かれました。
heliotrope-ヘリオトロープ-

転校生

雨が降ってじめじめする6月。


制服は濡れるし髪は跳ねるし…



「やーいボサボサ」


「うっさいわね!」



性悪悪魔にはからかわれるし!!!



傘を差して歩く私の上を、ダイヤは意地悪そうに笑いながらいつも通り飛んでいる。



ダイヤが私に取り憑いてから、もうしばらく経ったなあ。



「人間は大変ですねえ、毎日びしょ濡れになって」


「うるさいっての!なんであんたは濡れてないのよ!」


「魔力魔力〜」


「もー!!」



イライラしながら歩いてると、声をかけられた。



「真珠ちゃん!」





この声は……



振り向くと、傘を差してる白金先輩が経っていた。



「おはよ」


このじめじめした空気を爽やかにするような、キラキラした笑顔。


朝から見れるなんてラッキー!


「お、おはようございます…っ!」



白金先輩と話せるようになって結構経つけど、やっぱりまだ緊張しちゃう…。


二人で並んで、学校へと歩いた。



「雨の日ってやだよね、寝癖が直らなくてさ」


白金先輩が頭をクシャクシャしながら、困ったように笑う。


ああ、髪がキラキラ輝いている………。



「わ、私も寝癖直すの大変なんですよー!今日は上手く髪結べなくて…」


緊張を隠しながら、ポニーテールを手で振って見せた。

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