悪魔に取り憑かれました。
「じゃあちょっと出かけてくるから」



私を家の前に下ろしたら、ダイヤはそう言ってどこかへ飛んで行った。



…ルビーのところに行ったんだ。



直感的にそう思った。



自分の部屋のベッドに腰掛けて、一人考え込む。


もう分からない、悪魔が何考えてるのか………。



「どうしたのですか?」


「ぎゃっ!?」



ビックリして顔を上げると、サファイアが立っていた。


「サファイア…帰ってきたの?」


「ええ、悪魔が分かったので。あの黒川という女…」


「…知ってるよ」



気が抜けて、ベッドに寝転んだ。



「なんだ、知っていたのですか?」


「さっき分かったの」



はあ、とため息が出る。



「もう分かんないよ…悪魔が何考えてるのか」


「そりゃー悪さすることでも考えてるんでしょう」


…間違いない。



「…ただ、ダイヤは少し違うのかもしれませんね」


…え?


ダイヤは少し違う…?



「なんで?そりゃたまに優しくしてくれるけど、ダイヤは私に取り憑いてる悪魔だよ?白金先輩と仲良くなるの邪魔したりするし、ダイヤが取り憑くまで私は超強運で…」


「超強運、ねえ」



サファイアは何か考えるような仕草をした。


私はふと、気になることを思い出した。



「ねえ、サファイア」


「なんですか?」


「私がくじよく当たったり怪我したことなかったりしたのって、天使が私を幸せにしてくれてたからなのかな?」



天使と悪魔の存在を知ってからは、今までの超強運は偶然とは思えない。


天使が私に幸せをくれてたからじゃないのかって、ずっと思ってた。



「それは、天使じゃないですね」


…え?


サファイアはきっぱりと言った。
< 137 / 228 >

この作品をシェア

pagetop