悪魔に取り憑かれました。
「お母さん」


「なあに?」


「…もしかして私、死にかけたことある……?」



そう聞くと、お母さんは急に離れた。


ビックリした顔をしている。



「そ、そんなこと…」


様子がおかしい。


お母さんが、何か隠してる。



「私、5歳からの記憶しかないの。その前に、もしかして何かあったの?」


お母さんは黙り込む。


何も言わない。



「教えてよ、お母さん!!」



少しの沈黙。


お母さんは、ゆっくりと口を開いた。



「…わかったわ」


お母さんは、押し入れから古いアルバムを持ってきた。
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