悪魔に取り憑かれました。
「私だって、みんなとお外で遊びたい!おやつ食べたい!お家に帰りたい……っ!」



そうだ。


真珠は病気のせいで、普通なら当たり前にできること何一つできずにいるんだ。



「もうこんな帽子いやっ!!」


真珠が急に、帽子を投げ捨てる。



髪の毛は抜けてしまったのか、少しもない。



「私もみんなみたいに可愛いゴムで髪の毛結びたいのに…なんで私は髪の毛ないの?」


何も言ってやれない。


俺は悪魔。


人間を不幸にすることしかできない。



「真珠…」


真珠をぎゅっと抱きしめる。


真珠は泣くばかり。



…真珠、こんなに小さい。


こいつが何をしたって言うんだ。


何でこいつがこんな目に遭わなければいけないんだ。



なんで俺はこいつを幸せにしてやれないんだ………!



俺は初めて、悪魔である自分を嫌った。


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