悪魔に取り憑かれました。

覚悟

一人部屋に取り残された私は、ボーッと一点を見つめていた。



私が不幸になることで、ダイヤは寿命が延びるんだ。


そう言えば、ダイヤがサファイアと喧嘩したとき、私が泣いたらダイヤの傷が治ったんだっけ。


あれは私が不幸になったからダイヤが回復したってことだったのかな。



私が死ねば、ダイヤは助かる。



私が死ねば……ー。



急に身体が震えた。



死ぬことなんて考えたこともない。


怖い、怖い……!



私は怖くなって、ぎゅっと目をつむった。



まぶたの裏に浮かぶのはダイヤの顔。



ダイヤは私のこと何度も助けてくれて、守ってくれた。


今度は、私がダイヤを助けなきゃ……。



私は覚悟を決めた。


部屋を出て階段を下りる。

お父さん、お母さん、もう一回会いたかったな。

この家ともお別れだ。


そして、何も持たずに、学校へ向かった。
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