悪魔に取り憑かれました。
「おい、泣きやめよ…」


「ひっく…」



ダイヤに引っ張られて自分の部屋まで来たけど、なかなか涙が止まらない。



「こんなんすぐ治せるから。だからもう泣くな」



ダイヤに頭を撫でられる。



…あ。


なんだろう、すごくホッとする、不思議な感じ。



でも、初めてじゃないような…。



「落ち着いたか?」



ダイヤは優しい顔で、微笑んだ。



ドキン。



時が止まったみたい。



「つーかお前、俺がいなきゃ今頃死んでるか大怪我してるぞ!危なっかしいな!」


ダイヤの声で、ハッとした。


「だ、だってダイヤが死んじゃってるかと思って心配で!そのために白金先輩とのデートも断って…あっ!」



言って、しまったと思った。


「…白金とのデートすっぽかして帰ってきたのか?」


「すっぽかしたんじゃないって!ちゃんと断ったんだから!」


「ふーん?バカだねえ、せっかく邪魔な俺がいなかったっていうのに」


「もう断ったんだから仕方ないでしょっ!?」



パッとダイヤの顔を見ると…


嬉しそうに笑ってた。
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