俺様男に効くクスリ



校舎裏の階段で、オレはやっと一花の後ろ姿を見つけた。

ったく、オレに仕事をやらせといて勝手に出て行くとは、いい度胸なもんだ。




「一花、何やってんだ」


「ふぁ…、いっちゃぁ〜ん…」



オレを見るなり、一花はてこてことオレの側まで走ってくる。

まぁ、そういうとこが可愛いのは否定しねーけど



って何考えてんだオレは!




近づいてきた
目の前にある小さい頭。

オレはそこにそっと手を置いて、一花の顔を覗き込んだ。




「なんだ、なんかあったか」


「ううん…、何もない」


「じゃあなんだ!」




オレが強く言うと、一花は困ったように口ごもる。



あーぁ…、

なんでオレは、こういう言い方しかできねーのかな。




< 26 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop