俺様男に効くクスリ
校舎裏の階段で、オレはやっと一花の後ろ姿を見つけた。
ったく、オレに仕事をやらせといて勝手に出て行くとは、いい度胸なもんだ。
「一花、何やってんだ」
「ふぁ…、いっちゃぁ〜ん…」
オレを見るなり、一花はてこてことオレの側まで走ってくる。
まぁ、そういうとこが可愛いのは否定しねーけど
って何考えてんだオレは!
近づいてきた
目の前にある小さい頭。
オレはそこにそっと手を置いて、一花の顔を覗き込んだ。
「なんだ、なんかあったか」
「ううん…、何もない」
「じゃあなんだ!」
オレが強く言うと、一花は困ったように口ごもる。
あーぁ…、
なんでオレは、こういう言い方しかできねーのかな。