Polaris
三浦くんの真っ直ぐな瞳が眩しくて、段々と熱くなってくる目頭。
でも、泣きたいのはこっちじゃないはずだと、それを堪える私の腕を引いた三浦くんはばっと右手を上げて時刻を見た
「あっ、やばい……! 橋本さん情報だと京都駅13時45分発の新幹線で出るって……」
「えっ、えっと……」
「あと10分と少ししかないです!唯川さん、急いで!」
「えっ、はいっ……⁉︎」
ぐいっと、力強く三浦くんに手を引かれた私はそのままマンションの階段を降りて、三浦くんの車に乗り込む。そして、京都駅へと向かった。
何の会話もない車の中の助手席に腰掛けていること、約五分。道も空いていたおかげで、なんとか予想よりも早く駅へと着くことができた。
「絶対に後悔しないように……頑張ってくださいよ!唯川さん」
「三浦くん……」
「ほら、早く行ってください」
「う、うんっ……」
車から降り、ドアを閉めた。
そして私は、窓の向こう側から顔を覗かせている三浦くんに「ありがとう……!」と伝えると、背を向けて走り出す。