Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「何かヒントになるものがあれば……」
そう呟いた時。
「凛音、ちゃん……?」
背後から聞こえたのは、あたしを呼ぶ遥香さんの声。
すぐに振り返れば、寝たままの状態でぼんやりとあたしを見ている遥香さんがいた。
「遥香さん!大丈夫ですか!?」
上手く行けるか分からないけど、うさぎ跳びの要領で遥香さんの元へと跳んで行く。
「遥香さん!」
「…凛音ちゃん……此処は何処?」
「分からないんです。今、窓の外見たんですけど全然分からなくて……」
「……そっか。じゃあ私が見てみるね」
「え、でも、遥香さんまだ薬が抜けてないんじゃ……」
「大丈夫。もう意識はハッキリしてるから」
そう言ってゆっくりと身体を起こした遥香さんは、あたしと同じ様にぴょんぴょん跳ねながら窓際へと移動した。
「……凛音ちゃん、ごめんなさい。私にも分からない」
「……そうですか……」
遥香さんだったら分かるかもしれないと期待したけれど、遥香さんでも分からなかったらしい。
そうだよね。
いくら県内だといっても地元以外ってそんなに詳しくないし。
分からなくても仕方ないよね。