10年前の約束。
「ってかお前さっきからスマホうるせーよ。」
「え?」
ポケットに手を当てると
確かに私のスマホが震えていた。
「耳いいんだね。」
「………まーな。」
スマホをこっそり確認すると
大貴くんからメールだった。
"コンクールの自由曲
まだ決まってないんでしょ?
今日一緒に見に行かない?"
覚えててくれたんだ。
"うん。いーよ。
3時半に学校が終わるから
そのあとでいい?"
"じゃあ4時に家に迎えいくよ。"
"わかった。"
4時ね。すぐ帰れば間に合うよね。