俺様黒王子とニセ恋!?契約
それを見て、


「金子さん、確認には私が行って来ます」


そう言った私に、金子さんはわずかに逡巡した。
そして、いや、と首を横に振る。


「俺はリーダーだからな。ちゃんと自分でも確認しておかないと。二人で行こう」


こういう責任感の強いところはさすがだ、と思う。
頼れるリーダーの言葉に、私は浮かせた腰を椅子に戻しながら頷いた。


「橋本さんから、配送過程で特別何か問題があったとか報告受けてるか?」


金子さんもようやくデスクに腰を落ち着けながら私に訊ねて来る。
いえ、と否定の返事をした。


「首都高の渋滞で到着が一時間遅れたそうですが、特に問題はなかったそうです。サンプルもちゃんと発注通りの個数が納品されたと」

「……それじゃあ、それほど急いで確認行かなくても大丈夫かな。四宮さん。明日の業後になるけど、一緒に行こう」

「明日?」


金子さんの提案を聞いて、私は卓上カレンダーに思わず目を向けた。


「金子さん、会議の後は都合悪いんですか?」

「いや?」

「だったら……」


急ぐ必要はないと言っても、可能なら今日中に行っておいた方がいい。
そう思いながら言い淀むと、金子さんは軽く腕組みをした。
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