オレンジライト〜明るい日々へ〜

笑顔






翌朝。



和室にある両親の仏壇の前に座った。


「お父さん。お母さん。ただいま。」


するとお兄ちゃんは、和室へと繋がるリビングの扉を開けようとドアノブに手をかけたけれど、仏壇の前で話す私の声が聞こえ、ドアノブにかけた手を下ろし、扉の向こうから話を聞いていた。



「1ヶ月半前、突然腕を切りつけられて、今までに経験したことのないこわさを知ったの。その後、体も心も傷ついて入院した。犯人が捕まると思ったら、次々命を襲われちゃうし、どんどん共犯者が出てきて…そのうちの2人は私の信じてた人だった。ほんとにショックだった。
親しくしてもらってた入院先の女性も突然亡くなっちゃった。
ついさっきまであんなに元気に話してたのにって、悔しさと悲しさが溢れ出た。
でもね、その娘さんと仲良しになったんだ。一緒に《ビューティフルガーデン》へ行ったり、いっぱい話したりしたの。妹が出来たみたいで、可愛いんだ。

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