湖都子のポエム4

そっと…


彼には未来がある
きっと他の人と幸せに…
他の人と…

彼は本当に優しくて
彼の隣は居心地よかったけど
もう終わりにしよう
みっともなくしがみつかない
私が不釣り合いなのはわかってるよ
彼は遠い存在だと感じた

悲しいことも面倒なこともあったけど
色んなことを経験できた
一緒にいると期待しちゃうから
離れたほうがいいよね

彼の顔を見ると決心が揺らぐから
そっといなくなりたい
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「誰かと一緒じゃなかった?」
「ずっと1人だったよ」
やなこと聞いてるのは、わかってる。ねぇ、なんで嘘つくの?優しい彼のことを疑いたくないけど、嘘をつかれたことがとっても悲しい。

不意に手を握られた。あったかい彼の手の温もりが、今は痛い。彼の考えてることはわからない。

「私に気を使うことないよ。お互いに、無理すんのはやめよう」
「無理…なんて…してないよ」
彼の優しさに甘えて、何も気づいていなかったんだ。彼を元気にしてあげようと思っていたけど、彼はそんなことを望んでいなかったんだ。私の思い上がり…
「無理して、私に合わせてくれてたでしょ…いいんだよ。そんなの…」
「そんなことな…」
「わかるよ…付き合い長いもの…」
「気を使わせてごめんね…」
まるで逃げるみたいに、走った。

一緒にいられて、楽しかったよ。バイバイ…これ以上ここにいたら、離れるのが辛くなるから…家に戻ることに決めた。

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