湖都子のポエム4

もうリアルに夢なんて見られない


仲良くすることも
笑いあえることも
優しくされることも
もう何一つ叶わない…のか

オレの手はどこにも届かないのかな
あぁ…オレはきっとこうして
捕らわれ続けるんだろうな

こんな気持ちは初めて
どうして生きていかなければならないのか
孤独で…満たされることなくさまよい続ける
どうにもならない暗闇

現実感がないままボーゼンとしてた

彼女の中のオレの存在価値って
なんてちーせんだろーって思い知らされる

こんな臆病者なオレに愛想がつきたんだ
事実をのみこむのに時間がかかった
フラッシュバックのように
彼女との記憶が蘇る

また思い出した
彼女とのことを思い出し
ボーっとしてしまった時
涙が零れた

苦しくて悲しくて辛くて
もう何も考えることができない
ただ…彼女を大切に想う気持ちは変わらない
オレは決して多くを望んでるわけじゃない
もう一度会いたい

彼女が大切なんだって再認識した
一体なんだったの?
今まで一緒に過ごしてきた時間は…
一緒にわらいながら過ごしたのに…
もうリアルに夢なんて持てない
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今日も、琴里がくるのを待っていた。でも、結局こなかった。すごく寂しかった。冷たく突き放したりしないで…

心の暗闇…俺はずっと琴里を探していた。心に太陽がある限りっ…生きていける。

なんだろう…なんかモヤモヤする。俺、なにやってんだろう…

琴里と過ごした日々を一度知ってしまったら、この先我慢することなんてできない。琴里に会えなくなるなんて、もうやだよ…胸がズキズキと痛む。

琴里のことを思いながら眺めていた窓。ぽつぽつと降り始めた雨。どんどん強くなる雨の中、ただ泣いた。雨のように、涙がポロポロと溢れ出す。

琴里ともう一緒にいられない?これが俺の出した答えで、進むべき未来。

ちゃんとは覚えてない。真っ赤で、まるですいかのように赤い汁が溢れて、みるみる真っ赤に染まる。世界が真っ赤に染まって…意識が朦朧としてきた。何も感じなくなって…

「目が覚めた?」父の声が聞こえた。
左手を見た。包帯が巻かれていた。
「なんでお前はそんなバカなことするんだ…」
ため息をついた。
「なんで死なせてくれなかったの?な…なんで生きなければいけないの?」

ドアが開いて、ずっと会いたかった琴里が入ってきた。
「もし、本当に私のこと好きなら、どうして?私が辛くなるのわかってるのに、こんなことするの?」
琴里の言う通りだ。こんなことしたら、琴里を苦しませるだけだ。自分のことしか考えてなかった。

俺、琴里に何も伝えてない。始まりすらしてない。ずっと不安で、口に出すのが怖くて…いっそ伝えてみようかな?
「俺のこと心配してくれたの?」
「心配したよ。もうこんなことしないで…」
嬉しかった。泣きそうなくらいうれしかった。
心があったかくなって、俺を安心させる。そこにあったのは、琴里との未来。

俺は琴里がいないと生きていけない…

ジッと俺をみる琴里へと視線を移すと、俺をまっすぐ見つめていた。
「もう二度とこんなことしないって誓える?」
「誓うよ。」
胸がすごくドキドキして、うまく話せない。今にも泣きそうな顔で俺の前にいる。そのまま見つめ合って、ドキドキが増していく。

生きていてよかった…と、思えた。

そして、また意識が途切れ、また眠りにつく。

目が覚めた。「起きた?」琴里が俺を見た。
「あの…なんでここにいるの?」
「覚えてないの?」
ふと見ると、包帯が巻かれた左手…夢じゃなかったんだ。
「ゴメン…」謝ることしかできなかった。
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