あなたのために花を吐く

「な、なに?」

「俺、佑香が好き」

「え?」

「少し前までは神童さんが好きだったよ。でもやっぱり佑香じゃなきゃダメなんだ」

「やっぱりって?」

「小学校の時は好きだったんだ」

「っ?!」

「花吐き病って好きな人と両想いにならないと治らないだろ?お前が誰を好きかなんて知らないし、気持ちを伝えたかっただけだからあんま気にすんな」





 言ってて虚しくなるな。


 本当は俺を見てほしい。


 ずっと俺の傍で笑っててほしい。


 まぁ突き放したくせに何を言うって話だけどな。





「じゃ、話はそれだけだから」

「待って!」




 帰ろうと佑香に背を向けたら呼び止められた。


 やめてくれ。


 期待しちゃうだろ。 
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