【完】恋が終わる前に。
「……日向くんさ、天のこと大好きでしょ?冷たくしちゃうのは照れ隠しか何か?」
そう言うのは天の友達の佐野。
こういう鋭いヤツたまにいるよな。
マジで苦手だ……。
「ウザイとか言いながら、可愛いって思ってるキャラの人でしょ」
「本当にウザイって思ってるけど」
あくまで冷静に。
焦ってるのを佐野が分かったら、これからめんどくさい事になるのは分かってる。
夕と同じ匂いがする……。
「……まぁ、そういう事にしといてあげるよ。天は日向くんのことばっかり話してるよ。この前、壁ドンからのキスされたって言ってたなぁ」
……アイツ、殺す。
ニヤニヤしながら話す佐野を睨みつけて、戻ってきた天の腕を強く引いた。
あー、本当に最悪だ。