【完】恋が終わる前に。
*
はるくんの試合が終わったら、すぐバスケの2回戦だ。
「……おい、」
「うわっ!」
体育館に入ろうとしたところで腕を掴まれ、後ろに引っ張られた。
「えっ!?」
その人物を見て、声をあげずにはいられません。
だって、目の前にいてわたしの腕を引っ張ったのはさっきまで神的な存在感を放っていた
「は、はるくん……っ」
わたしの大好きな人だったから。
「どうしたの?」
「…別に」
……なんか、様子がおかしいような。
「あの、わたし…そろそろ行かないと」
体育館の中から、友梨香の「天!!早く来い!」という、恐ろしい声が聞こえてくる。
はるくんがわたしの腕を掴んでくれているという、美味しい状況にも関わらす自らの手によってそれを解いてしまうのは何とも心苦しく思います。