生きる。~番外編~



湊はなにも言わない。


私もそれからなにも言わない。


私たちは暗くなるまでボーッとしていた。


約6年と5ヶ月前美波もここにいたんだ。

そう思うと、私はまた切なくなってしまったんだ。

美波が来たあの日………。

美波はこの景色を見ていたんだ。


「美波、ここにいたんだな。」


私が切なくなっていると、湊が話し出した。


「俺が探してたとき

美波はここの空気を吸ってたんだな。

この景色を見てたんだな。」


その表情が切なくて

私はなにも言えなかった。



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