恋じゃないと願うだけ
それぞれが別の道に別れる歩道にさしかかった。
「じゃあな」
さっと右手を上げ、背中を向け歩いて行く拓。
「拓!!」
少しずつ小さくなる背中。
まだお互いの表情が確認出来る距離だった。
振り返り不思議な様子でこっちを見つめる拓。
「俺、結香ちゃんが好きなんだ」
「……」
拓からの反応はない。
ただ、一瞬ビックリした顔をして
小さく笑うと、一度だけ頷き
また背中を向けて歩いて行った。