恋じゃないと願うだけ
俺は捨てられた子犬を見ているような感覚で彼女を見続けた。
夏も終わろうとしていた。
それでも彼女は純粋に笑う事をしなかった。
たまに見せる絶望にも似た表情に、俺は心を痛めた。
いつしか俺はそんな彼女を救いたいと思うようになった。
それが恋なのかは自分でも分からなかった。
でも、彼女を好きにはなりたくなかった。
ただ、彼女を守りたかった。
それは同時に俺は彼女を好きになってはいけない。
関わってはいけないという事だった。