初恋を君に


私ってこんなに恋愛に浮れるタイプだったのか…
と若干げんなりしながら帰宅の途についていた。

些末なミスを繰り返し、今日の自分に課したノルマが終わらなかった。

まさか今夜のデートが楽しみで、
仕事が手につかないとか…馬鹿みたいだ。

くみちゃんにも
『今日の分は終わっているし、大丈夫ですよ。』
と慰められる始末だ。

少し落ち込みつつ、それでもやっぱり楽しみな気持ちが
勝っていてなんだかとっても複雑だ。

ただ、一つ心配事があった。

スマフォのカレンダーアプリを開き、
見つめていても答えは出ないのだが、何度となく開いて確認してしまう。

お昼を食べ終わった頃から
腰が痛くなり なんとなく下腹部も重い気がしていたのだが、
帰り道ではいよいよ、それが確信になりつつあった。

今日じゃなくてもいいのに…

1日目だけはどうしてもお腹が痛くなり、動くのも面倒になってしまう。
とりあえず、帰ったらすぐ薬を飲んで暖かくして連絡が来るまで
ゆっくりしていよう。

夕食の後は達哉の家に泊まる予定だったが…
申し訳ないけど今日は自宅に帰ることにしよう。

楽しみにしてたのになぁ…

でもこればっかりはしょうがない。
生理1日目にまだ慣れない彼の家にお泊りなんて気が気じゃなくて…
あんなに浮かれてたのに、今度は重い気持ちになってしまった。

家に着きすぐに暖房とホットカーペットのスイッチを入れる。
生姜湯をカップに注ぎカイロをお腹と腰に貼る。
しっかり身体を温めておけばかなり楽なのだ。
薬も飲んだので、効いてくれば大丈夫だろう。

身体がポカポカと暖かくなってくると
どうしても眠くなってしまうのは仕方がないこと。
スマホのマナーモードを解除して着信音量を最大にして連絡がきたら気づけるようにしてから
安心してウトウトとし始めた。


案の定、スマホの着信音で目が覚めた。
画面には上条の名前。
操作しながら時計を見ると家に着いてから1時間弱経っていた。

「…もしもし?」

『文?今着いたけど…大丈夫?寝てた?』

「うん…大丈夫。すぐ降りる。待ってて。」

手早く準備を整えて、家を出ると
マンションのすぐそばに上条の車は停まっていた。



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