3年間の好きをあなたへ…

高校二年生の冬、今日は朝から両親と喧嘩をしてしまった。
朝から気分が乗らず、少し泣きそうになっていた私を先生は廊下ですれ違うと、ピタリと足を止めて私を引き止めた。


「何かあったのか?」


その言葉が嬉しくて、私は思わず泣いてしまう。

本当はこんな姿先生には見せたくない。

今日だけはひっそりと誰にも見つからずに泣こうと思っていた。

なのに、先生は「ちょっとおいで」と私を放課後数学準備室に呼んだ。

初めての対面、向かいあっての二人きりの空気。

緊張する空気の中、先生は私に暖かいココアを出してくれた。

それがすごく温かくて、ホッとして。
それとなく今朝両親と喧嘩したことを少しだけ話すと先生は軽く相槌をしながら真剣に聞いてくれた。

そして会話を終えると、先生は私をあやすようによしよしと頭を撫でてくれた。

それがまるで天国に行けるぐらい嬉しくて、私はまたしてもわんわんと泣いてしまった。

それを優しくなだめる先生。

それを受け止める私。


だから今日もまた…


「好きです…」


と、泣き笑いつつ言葉にしてしまった。


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