彼女のことは俺が守る【完全版】
 海斗さんとこんな風に食事をしながら話したのは仕事のこととかだったけど、海斗さんは私の仕事についても話を聞きながら、その中で自分の意見を言う。考え方が似ているのか、私の気持ちを分かってくれて助言もしてくれる。産休の先輩の為に今は頑張らないといけないと言うと、海斗さんは穏やかに微笑んだ。


「後輩の里桜がそれだけ頑張っているのはきっと先輩にも伝わっていると思う。産休中は色々と気持ちも揺れると思うけど、自分が帰って来れる場所があると思うと、それは励みになると思う。そのためにも里桜も頑張らないと」


 海斗さんの言った通りだと思う。先輩は産休に入る前に、自分がこのまま仕事に戻ってくることが出来るのかと心配していた。産休は優秀な先輩であっても不安にさせるのだろう。頑張らないといけないと改めて思う。


「私も頑張らないといけないですね。海斗さんの映画の仕事はどうだったのですか?」


 私と出会ってすぐに海斗さんは京都のロケに行った。一週間のはずが三週間も掛かり、撮影が長引いたのは私も知っている。でも、帰ってきた海斗さんの顔を見て、満足の出来る撮影だったのではないかとは思っていた。


「俺に出来ることは頑張ったつもりだよ」


 そう言った海斗さんの顔は自信に満ち溢れていて眩しい。自分の仕事にプライドを持って仕事をしているからだと思うけど、自信がこんなにも魅力的に彩るのだろうか?


「じゃあ、映画館で見るのを楽しみにしてますね」


「里桜は見に行くつもりなの?」

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