彼女のことは俺が守る【完全版】
　海斗さんが起きてきたのは四時四十五分を過ぎた頃で、真っ白なシャツを着て、ジャケットを手に持ったままの海斗さんがリビングに入ってきた。リビングが明るいのも、そこで私がコーヒーを淹れているのをみて、ひどく驚いた顔をしている。


「起きていたのか」


「はい。よく眠れたのでスッキリと起きれました。キッチンを勝手に借りてすみません。コーヒーどうですか？時間が間に合いませんか？」


「ありがとう。コーヒーは貰うよ。すぐに顔を洗ってくるから、それまでに用意しておいてくれる？」


「はい」


　バスルームに消えた海斗さんは時間も掛からずに出てきた。でも、たった数分の事なのに、バスルームから出てきた海斗さんは身支度を終わらせていて、少し前髪が濡れていている艶やかさにドキッとしてしまう。こういう少しの仕草に海斗さんらしさが滲み出る。何気ない表情にドキドキしてしまう。


　そして、海斗さんはダイニングテーブルに着くと、私の方を優しく見つめ、ニッコリと笑った。


「おはよう。里桜」

「おはようございます。海斗さん。あの、コーヒーはブラックでいいですか？」


「ああ、ありがとう」


　そういうと、私が用意したコーヒーが入ったマグカップに海斗さんは少し香りを楽しんでからゆっくりと口を付けたのだった。濃すぎないかと心配だったけど、それは海斗さんの表情から見ても心配ないようだった。
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