そんな結婚、あるワケないじゃん!
簡単に理由が口にできたら楽なんだって。
でも、気軽にできないワケがあって………


「とにかく、外ではもうイチャイチャしない!キスなんかも御免被る!!」

「何の宣言だよ!それ!」


キス拒否権かよ⁉︎ と、呆れられた。


「言葉の通り!じゃ、そういうことだからバイバイ!」


思いっきり突き離した。
勢いに任せたまま背中を向けると、羽田はわざと近づいてきてーーー。


「待てって!」


後ろから羽交い締め。


「ぎゃ〜〜!!!」

「バカッ!!声デカすぎ!!」


彼氏だぞ、俺は!痴漢じゃねー!って、そんなの知ってるよ!だから焦ってんでしょーが!!


「やめてやめて!ソッコーで離れて!!」


ジタバタ暴れだす。目を引こうが何だろーが、この際関係ない。



「何だって言うんだよ!全く…」


観念して振り解かれた。
その途端にダッシュして、5メートル位間隔空けた。


「な……何すんの!」

「何すんのって……」


「別れ際のチューくらいしてやろっかな〜」とか…冗談でも止して!



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