strange
大きな黒目が特徴的で、黒くてサラサラな髪の毛が風になびく度にちょっと羨ましかった。

くせ毛ですぐ絡まる私の髪は、あんな風に清潔感がないのが悲しい。

髪は染めてると思われて、いつになっても子どもの頃とあまり変わらない童顔。

杏里ちゃんの方がよほど大人っぽい。

そんな杏里ちゃんは三姉妹の末っ子。


「リボンなんか色褪せてて、ちょっと恥ずかしいんだけど」


リボンを指でつまんで笑う。


「あ、じゃあ…私のは?どこにやったのか忘れちゃったんだけど。探してみるね」

その時、私は隣の慧の曇った表情なんかに少しも気付かなかった。


「尋、また背伸びた?」

尋も杏里ちゃんも慧と私の幼馴染。

家が近所で、小さい頃はよくみんなで遊んだ。


「うん、最近伸び盛り」

嬉しそうに笑う尋のあどけない顔は、慧と同い年に見えない。

昔から素直で優しい子。

あまり見かけない彼は…いったい誰なんだろう。

「こいつは、今日高校で俺と同じクラスになった洸哉(こうや)。最近ここに引っ越してきたらしくて。あ、でも昔この近くに住んでたらしいよ」

洸哉という名の彼は軽く頭を下げた。




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