strange
住宅街の中にある公園前の十字路で、

「じゃあね」

と、手を振って私達はそれぞれの家の方向へ歩いた。

家に着くと、ママが外で花に水をやっていた。

「おかえり。大丈夫だった?」

心配そうな顔で近づいてくる。


「大丈夫って、慧は大丈夫でしょ?なんたって新入生の中で一番だもんね?」


昨日は入学式で、新入生代表挨拶を慧がしたそうだ。

私も、挨拶してるところ見たかったけど在校生は参加できない。


「違うわよ、沙良の方」

真顔で言うママの言葉に耳を疑う。


「ちょっと、私もう2年生だよ?」

私も真剣な顔で返す。


「だって…去年はクラス発表の日にすごく落ち込んで帰ってきたから」

ママの顔を見ながら、

「フフフ…それが今年は彩菜ちゃんと晶乃ちゃんが同じだったんだよ!最高でしょ?」


喜ぶ私にママはちょっとホッとした表情を見せた。
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