OUTLOW 〜能天気少女の裏の顔〜



金田玄二…




どこかで聞いたことがある。

一体なにをしでかしたんだろう…。


暴力団関係、クスリ、金銭問題、考えれば考えるほど仕事で暗殺した人の理由が頭に浮かんでくる。





カ「3人も必要なかったかもな。」


す「うん。ターゲット個人だもんね。」


隼「俺は証拠探してくる。
カイ、すみれ頼むな。」


す「はーい。」



隼人は軽く手を振ると一人別のルートで歩いていく。





証拠、というのは政府が見られたくない書類で私たちはそれの回収も仕事だ。





カ「1109号室だから、ここだな。」


す「寝てたら殺りやすいんだけどなぁ。」



部屋に侵入して

無駄に広い寝室に寝ている若い男性を見つける。


まだ26歳くらいかな。


暗い室内に明かりがあると思ったらスマホだ。


さっきまで誰かと話してたのかもしれない。


す「この人…。」



手にとってみると写っているのは



同い年くらいの女の人、きっと田中の大切な人だ。




す「可哀そう、この女の人。」



この人にも大切な人がいると考えるとどうしても情がわいてしまう。




カ「ん?

へぇ綺麗な女じゃねぇか。」



す「裏金なんかに目がくらまかったら政財界のエリートコースで平穏に暮らせたのにね。」



私の言葉の裏に情があるのにカイは気付いてるのか悔しそうな声で



カ「俺たちは仕事をするしかねぇから。」


と言ってくる。


す「分かってる。」




一瞬でも湧いてしまった情をぐっと胸奥にしまい込んで

愛用している拳銃を取り出す。




普段は刀と体術のほうが得意だけどターゲットが一人だけの時は拳銃を使う。



なるべく一撃で苦しまないように


しっかりねらう。





す「バーン。」


と言ったと同時にパンッと乾いた音がして発砲の振動がつたわってくる。






カ「もう、息なくなってるな。

行くぞ。」



二人で金田の息を確認すると既に事切れている。



どうか来世では幸せになれますように…


心の中で呟くとカイの後を追う。



す「うん。」









なにか私達が居たっていう証拠が残っていたって大丈夫。





特殊精鋭部隊


通称‘桜’は政府公認なのだ。




















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