先生は私の旦那様
夢に向けての出発
卒業式の後、都内のホテルで私達は身内と親しい友人達の立ち会いのもと式を挙げた。
その後各界の著名人と学園関係者を招待して私達のお披露目パーティーを行った。


「稀美果、ホント綺麗だよ。さっきの純白のウエディングドレスも素敵だったけど、そのピンクのドレスも素敵!」

普段あまり好んで着ない色だが直寿に『その色、稀美果に似合うと思うよ』と言われて作ったのだ。
出来上がったドレスを見て可愛らしさの中にも上品さがあったこの色にして良かったと思っている。

「有難う。碧もそのドレスとても似合ってるよ!」

碧はパーティーに出る様なドレスを持っていないと言うので『私ので良かったら』と言って私のモスグリーンのドレスを貸したのだ。
落ち着いて見える碧にとても似合っていて誰が見ても未成年には見え無いだろう。
隣に居る尚樹はちょっと緊張しているのか顔を強張らせている。

「尚樹、緊張し過ぎだよ!肩の力抜きたよ!」

「しっ仕方ないだろ…俺こんな凄いパーティー生まれて初めてなんだから。俺の知ってるパーティーは毎年家族で過ごすクリスマスパーティぐらいだからな…」

尚樹は緊張しながらも少し拗ねてみせる。

「でも、去年は碧とふたりでクリスマス過ごしたんでしょ?」と、私が言うとふたりは顔を赤らめていた。

年が明けた時、私は、碧に聞いていたのだ。

『私…尚樹とエッチしちゃった…』と顔を赤くし照れながら教えてくれた。

「まぁ仲良くね!大学では尚樹が浮気しないように私が目を光らせて置くからさ!」

「うん!よろしくね!」

碧は短大へ進み。私と尚樹は同じ大学ヘ進んだのだ。

「俺は浮気なんてしないから! 俺だってクロリンに『稀美果に男を近寄らせるなよ!』って頼まれてるし、何せクロリンの稀美果に対する独占欲はスゲーからな! 稀美果に近づく奴を見たらクロリン殺しかねないもんな?クロリンが犯罪者にならない様に俺が目を光らせてないとな!」

尚樹は前に直寿の鬼の様に歪んだ顔を思い出してるのか苦笑した。


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