先生は私の旦那様
通常モード
稀美果は昨夜ベットに入っても眠れず楽しかったお泊りデートの興奮冷めやらぬまま朝を迎えた。



「稀美果、ボーとしてないで飯食え!遅刻するぞ!俺は先に行くからな!」



通常モードの直寿は早朝会議が有るからといつもより1時間早く出勤して行った。



稀美果は「はーぃ…」と返事し直寿の作ってくれた食事に手を付ける。



直寿の方が疲れているのに朝食作ってもらって私奥さん失格だな…



稀美果は反省をしていた。








「やばい!また遅刻だ…」



稀美果は誰も居ない校庭を走り、昇降口へ向かっていた。



すると後ろから駆けるて来る足音に振り向くと波瀬川尚樹が「稀美果急げ!」と声を掛かる。



稀美果は立ち止まり「あ、波瀬川君おはよう!」と挨拶をする。



「馬鹿!呑気に挨拶してる場合か!急ぐぞ!」



あっそうだった急がなきゃ!!



階段を3階まで駆け上がり1組の前で波瀬川尚樹と別れ稀美果は自分のクラスの前まで駆けて行くと直寿の声が聞こえて来た。



「ヤバッ!」もぅ直寿来てる…



教室の後ろの扉をそっと開け稀美果は体を屈めて入ると直ぐに直寿から声が掛かった。



「円成寺おはよう!早く席に付けよ」と優しい声が掛かった。



え?直寿怒らないの?…

今日は多めに見てくれるの?…

良かった!…



稀美果は胸をなでおろし笑顔で「はーい!すいませんでした」と席に着いた。



前の席の碧が「おはよう!良かったね見逃してもらえて!」と微笑んだ。



「うん!ラッキー」と稀美果は小声で言う。



しかしそんなに甘くは無かったようだ。



「円成寺お前懲りないねぇ?」



「え?」 稀美果は固まる。



なぜなら直寿の目は笑っていないからである。



「皆んな円成寺が今日から1週間ひとりで教室の掃除してくれるらしいぞ!良かったな!」



皆んなからは「ヤッター!」「円成寺悪いな!」「ご愁傷さま!」と声が掛かった。



稀美果は「えっー!!そんなー!」と立ち上がる。



「なに?なにか言いたい事でもある訳?」と眼鏡の奥の瞳を光らせた。



旅行中直寿は眼鏡を掛けていなかった。



もともとそんなに眼は悪くなかったようで旅行中は稀美果にキスをするのに邪魔だからと言って掛けなかったのだ。



「いえ…何もありません…」と項垂れて座る。



碧は振り返り「アハハハハやっぱりダメみたいだね!ご愁傷さま」と言う。




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