変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「明日から雨だから、美咲の荷物は、天気の良い土日に運ぼう。まだ、ここに置いておけばいい」

「ありがとう」

私がそう言うと、矢野さんは、傷付いたような、切なげな目をした。

「美咲、お前はそれで幸せなのか?」

矢野さんの大きな手が、遠慮がちに私の頬に触れた。


「……っ!」

瞬間、身体中を電流が走った。


この感覚…



ううん……そんなはずない。私は、もう二度と恋はしないと決めたんだから。



だから、この感覚は気のせい…



恋なんてしない。


例え恋人になれたとしても、いつ終わりが来るか、怯えながら過ごすなんて耐えられない。



気付きかけた気持ちに蓋をした。




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