変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
*矢野side*
3週間前に返された鍵を、もう一度、美咲に手渡した。返事なんて聞かずに、備品保管庫を後にしたけど、真面目な彼女は、絶対に来るだろう。
最近、顔色の悪い美咲に、元気になってもらいたかった。
テキパキと仕事を終えた俺は、大急ぎでマンションへ帰り、晩ごはんの下ごしらえをした。
胃に優しいものにしようと、献立を考えていた。
そろそろ、美咲が来る頃かと、エントランスへ降りて行くと、『もう来ませんから』という弱々しい美咲の声が聞こえてきた。
「……っ!」
驚いて道路へ飛び出すと、怒り心頭の宏美がいた。
「美咲はどっちへ行ったんだ⁉︎」
「あんな二股女、放っておきなさいよ」
「煩い!どっちだ⁉︎」
俺が声を荒げるなんて、初めてだと思う。
3週間前に返された鍵を、もう一度、美咲に手渡した。返事なんて聞かずに、備品保管庫を後にしたけど、真面目な彼女は、絶対に来るだろう。
最近、顔色の悪い美咲に、元気になってもらいたかった。
テキパキと仕事を終えた俺は、大急ぎでマンションへ帰り、晩ごはんの下ごしらえをした。
胃に優しいものにしようと、献立を考えていた。
そろそろ、美咲が来る頃かと、エントランスへ降りて行くと、『もう来ませんから』という弱々しい美咲の声が聞こえてきた。
「……っ!」
驚いて道路へ飛び出すと、怒り心頭の宏美がいた。
「美咲はどっちへ行ったんだ⁉︎」
「あんな二股女、放っておきなさいよ」
「煩い!どっちだ⁉︎」
俺が声を荒げるなんて、初めてだと思う。