変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
間もなく定時だという時に、スマホが震えた。

確認すると駿からで、

『17:40、地下駐車場。一緒に帰ろう』


チラッと駿の席を見ると、電話中の駿と目が合って、ニヤリと微笑まれた。


うわっ…

これじゃあ、まるで社内恋愛だ。そんなんじゃないのに。今朝の事があるから、今日一日中、視線を感じた。居心地が悪い。


「了解しました」

送信……と。

足首は、今朝より痛みが増してる。今日だけ、駿の厚意に甘えよう。



パソコンの電源を落として、法人営業部を後にした。


チン!

エレベーターに乗り込むと、誰も乗っていなかった。


バン!

扉が閉まる直前に、息を切らした矢野さんが乗り込んできた。

はあ…はあ…

二人っきりのエレベーターの中に、矢野さんが息を吐く気配だけがする。




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