変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
7.
今宵も君を想う
〜Bar Cheri Cherie〜
フランス語で、「愛しい人」
カラン…
重厚なチョコレート色のドアを押し、店内へ足を踏み入れる。
「いらっしゃいませ」
俺はいつもの席に腰を下ろす。
「葉山さん、お忙しそうですね」
オーナー兼バーテンダー 木嶋 瑛二が、珍しく話しかけてきた。
「ベルベット・ハンマーを」
「かしこまりました」
コト…
「言葉なんて無くても、伝わると思ってた。ただ、抱きしめていれば、分かってくれてると思い上がってた」
その珈琲色のショートグラスを傾ける。
ほんの一瞬、木嶋が憂いを帯びた瞳で俺を見た。
「一回りも年下の女の子にさ、好きとか愛してるとか…なんか、気恥ずかしくて言えなかった。
7年も経って言ってみたけど、遅かったよ」
カラ…
手元のグラスをぼんやりと眺める。
「熱い男に負けたよ。完敗だ」
この失恋の傷みは、いつか癒えるんだろか…
〜今宵も君を想う〜
fin.
フランス語で、「愛しい人」
カラン…
重厚なチョコレート色のドアを押し、店内へ足を踏み入れる。
「いらっしゃいませ」
俺はいつもの席に腰を下ろす。
「葉山さん、お忙しそうですね」
オーナー兼バーテンダー 木嶋 瑛二が、珍しく話しかけてきた。
「ベルベット・ハンマーを」
「かしこまりました」
コト…
「言葉なんて無くても、伝わると思ってた。ただ、抱きしめていれば、分かってくれてると思い上がってた」
その珈琲色のショートグラスを傾ける。
ほんの一瞬、木嶋が憂いを帯びた瞳で俺を見た。
「一回りも年下の女の子にさ、好きとか愛してるとか…なんか、気恥ずかしくて言えなかった。
7年も経って言ってみたけど、遅かったよ」
カラ…
手元のグラスをぼんやりと眺める。
「熱い男に負けたよ。完敗だ」
この失恋の傷みは、いつか癒えるんだろか…
〜今宵も君を想う〜
fin.