変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「私は、秘書課の三嶋 宏美。矢野 温の恋人なの」

言いにくい事を伝えるかのように、瞳を伏せる。

矢野さんの恋人…

「そうですか…それで、私に何のご用でしょうか?」

恋人がいたんだ。

「貴女、備品保管庫でも私たちの事を邪魔するし、温さんにまとわりつくし、温さんが優しいからって、あまり甘えて欲しくないなと思って」

備品保管庫で、矢野さんに抱きついてた人…三嶋さんだったんだ。

矢野さんは『襲われた』って言ってたけど、違うの?

「…はい」

何も言葉が浮かばなかった。

「お分かりいただけたかしら?そういう事よ。温さんは私のものなの」

三嶋さんが、満足気に微笑む。

怖っ!

目が笑ってないし!


カツ、カツ、カツ、、

言いたい事を言い切ったようで、三嶋さんは立ち去って行った。


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